ジオラマ・システム製作での残りの課題(2)


課題の(1)、(2)が無事解決したので、これからは電源周りの評価実験となります。
まずは課題(3)の レギュレーター回路検討から始めます。

<レギュレーターに要求されるもの>
 1.3.3V系出力のレギュレーター 1個、 5.0V系出力のレギュレーター 1個 の計2個
 2.入力電圧最大電圧は、コンデンサ満充電電圧の5.4V
 3.昇降圧特性の評価(コンデンサの電圧が何ボルトまで低下しても機能を果たすか):最重要項目
   試験負荷は、300mA連続流れていると仮定した特性とします。
 4.レールからの供給電圧を何ボルトにするかの検討(逆流防止ダイオードの影響)
 5.最終的にコンデンサ含めて、レギュレーター稼働最低電圧とそれに至る時間を計測しソフト的に充電部分まで走行させる。
   充電部分でDC6Vが給電でき無くなれば、赤色LEDでクリーニング要求警告灯を点灯させる。

使用デバイスは、今回の目的に最適な「TPS63000」です。仕様は下記の通りです。


最終回路図です。



上記基板2枚を取り付けるベース板の加工です。左の空いている部分にはモータードライバー基板が付きます。(手配中)


この基板は、後で製作するTWELITEのベース板と合体させて小型を計ります。
本来、すべて各基板はソケット式にしたいのですが高さが高くなるので、ソケット式はTWELITEのみとしてその他の基板は直付けとします。

TWELITE-DIP基板の下にレギュレーター&モータードライバー基板ベースを潜り込まします。



実際、ベース基板にレギュレーターをピン半田付けして納めて見ると予想より高くなりTWELITE下に潜り込ますことが出来なくなったので、ベース基板を
無くすことにしました。
結果、下記の様になりました。




特性評価に入ったが、3.3V系も5V系も動作がおかしい。ICがNGとなっている、半田が鉛フリーを使ている関係で半田こての温度が370度に設定して
いるので熱破壊したのかも、かなりデリケートなICなので、これでは基板直付けは怖く使用できないので、高さの犠牲は出るがソケットを使用して、基板
の脱着を容易にしないと使い物にならない。

電源周りの基板設計は、一から見直しである。
半田を鉛フリーより鉛入り半田に切替(370度ー>270度)へ、温度ストレスを低減して再挑戦です。
それでも5V用ジャンパをすると短絡状態となり5Vでは使用できない事が解りました。
3.3Vはこの基板を使用するにしても、5V用は別の物を検討する必要があります。

候補として「LMR62421使用のMax24V出力昇圧型スイッチング電源モジュール」「LTC3111使用2.5V-15VMax1.5A昇降圧スイッチング電源モジュール」
      ¥560-                              ¥1380-
前者は昇圧のみ、後者は昇降圧なので後者は高価である、目的からすると降圧する必要は無いので前者でOKである。
この基板の仕様です。出力電圧はVRで調整できますが調整の必要が無いのとVRが大きいので固定抵抗に変えます。
VRの抵抗値は50kΩ(24V)なので必要な10Vを出力するには15kΩ程度としてテストしましたら11.34Vの出力となったので、これで進めます。



モータードライバー基板は、以下の通りですが、この基板は実績があり壊れたことが無いのでソケットを使用せず直付けで使用します(\300-)



この基板構成で決定します。(最終回路図)

LMR62421の電圧決定抵抗は、11V出力で20KΩ程度
電圧モニター用抵抗分圧は、100kΩ+68kΩでのセンター取りです。<5Vで「2044」、これ以上は「65535」でサチる。4.0Vで「1676」程度>


【 実測値 】
決定した 決定した回路で列車のテスト車を製作し、各種データ取りをしてみた。

モータ停止、全LED消灯時のスタンバイ状態の消費電流は、「24mA
ただコンデンサをつなぐと、満充電で充電していないにもかかわらず「190mA」が常に流れる。GCはその様な特性が有るのか?
走行時の電流は、直線平坦場所では、「210mA」程度、坂、カーブ時は「400mA」程度流れる。
完成時の列車は、コンデンサをつないだままなので夜中等の電源が落とされた場合、コンデンサを完全放電させるのか補助充電を加えるのかであるが、
4台から5台分の補助充電電流は、「1A」程度になるので連休時を考えると補助充電は難しい。

コンデンサの完全放電ー>電源投入時のスタンバイ時間(一定の充電時間)を繰り返して検討する必要がある。

通常充電状態(コンデンサ)で、無給電・連続走行試験では、20周以上は軽く達成できた。